今回は新しいシリーズにチャレンジします。
子どもや子育て支援に取り組まれている支援者向けに、少し専門的なお話をする機会を作りたいと思います。もちろん、支援者の方でなく、保護者の方が見ていただいても自らの子育てに活かせる内容だと思うので、ぜひご覧ください。
今回は、子どもや家庭を支援していく際、まず一番初めに必要となるアセスメントの概要についてお話しします。シリーズで続けて生きたと思いますので、今日はまず全体像のお話しから始めます。
なぜアセスメントが必要なのか?
まずはじめに、アセスメントとは何なのか?様々な専門書やネットでも探せばすぐにその意味が分かると思いますが、ここでは私の考えを基に定義してみます。それは…
効果的な支援を行うために、情報を集め整理し、子どもや家族の状況の見立てをすること
と言えるでしょう。
支援の対象となる子どもや家族のあらわす行動表現に対応していくことだけではいたちごっこで、なかなか問題が改善されません。
そこでしっかりアセスメントをして子どもや家族の本質的な課題を見立てることで、より効果的な支援が行えるようになります。
アセスメントに必要な3つの視点
アセスメントをするためにただただ、子どもや家族を観察し、情報を集めればいいというわけではありません。アセスメントをするときにはどんな視点で情報を収集していけばよいか、ということが下の3つになります。
- 生物学的側面
- 心理学的側面
- 社会学的側面
子どもや家族の支援者は常にこの3つの視点を頭に入れながら子どもや家族の面接を行えると、その本質的な課題にスポットを当てながら情報収集と整理が行えるようになります。
続いて、この3つの側面でどのように情報を集めればよいのかということをここから一つ一つ見ていきましょう。
アセスメントに必要な視点①生物学的側面
これは脳やからだについての情報収集といえます。
身体的な障害や知的な障害、精神的な障害がないか?より具体的に言うと、発達障害はあるのか?どのような診断が下されているのか?ということなどです。
他にも感覚過敏や出生以来の具体的な発育など、この側面の中でも様々な
子どもや家族が呈する様々な問題行動は性格や育て方の問題だけではなく、こういった元々生まれ持った脳や体の機能的な面も影響しているということです。
アセスメントに必要な視点②心理学的側面
これはこころについての情報収集といえます。
例えば子どもの支援の場合、子どもの性格や考え方の特徴、ものの見方などが挙げられます。
もっと具体的に言うと好き嫌いや、得意なこと、苦手なこと、学習の取り組み方、生活リズムなんかも含めてもよいかもしれません。
いわゆる、一般的に個性といわれるようなものだと考えてもよいかもしれません。育ちの中でできていく個性もありますが、私の子育ての実感としてもみんな生まれながらにそれぞれの個性を持っています。
アセスメントに必要な視点③社会学的側面
これは家族やその文化、地域など支援の対象者を取り巻く周囲の状況について情報収集といえます。
支援の対象者がどのような家族のもとで育ったのか。その家族独自の考え方や価値観、それに基づく育て方を知ることはとても大切な情報です。
さらにはその家庭が暮らす地域文化や、学校の状況なども支援の対象者に大きな影響をもたらしています。
まとめ
子どもや家族の問題は、この3つの要因が複雑に絡み合ってあらわれています。逆に言えば
どれか単一の要因だけで起こっている問題はほとんどありません。
ですので、どれか一つの側面からアプローチしたとしても、問題が解決することはありません。
この3つの側面から情報を集め、今起こっている問題の要因がどこにあるのかをとらえた上で支援も複合的にアプローチしていく必要があります。
今支援に困っているという方がおられたら是非一度、この3つの側面に沿って情報を収集してみてください。何か解決の糸口が見つかるかもしれません。
今回はアセスメントのために必要な3つの視点についての概要をお話ししました。また今後、このシリーズの中で詳しくお話しできればと思いますので、是非、引き続きご覧ください!
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