発見!子どもの学力が下がる原因は〇〇量の減少‼

頭を抱える子ども 子育て

子どもたちが勉強する様子を見ていると、自分が子どものころと比べ、決定的に違うところを発見しました。

それは〇〇の量が決定的に足りないということです。

そしてそれが学習のメカニズムから考えても、子どもたちの学力を低下させる大きな要因になっているのではないかと考えられます。

今回はそんな、子どもの学力が下がる原因について考えてみたいと思います。

学力低下の原因

ネットなどで検索してみると、学力低下の原因として以下のようなものが挙げられています。

  1. 教育環境の問題
    • 教師の質: 教師が不十分な資格を持っている場合や、教育方法が適切でない場合、子どもたちの学習に悪影響を及ぼすことがあります。
    • 学校のリソース不足: 特に地方の学校では、教育関連の設備や教材が不足していることが多く、学習環境が整っていないことが学力低下につながります。
  2. 家庭環境の影響
    • 経済的要因: 貧困家庭の子どもは、学費や進学に必要な資金が不足しているため、教育の機会が制限されることがあります。これにより、学力が低下する傾向があります。
    • 家庭の文化資本: 家庭内での教育に対する関心や支援が不足している場合、子どもは学習意欲を失いやすくなります。特に、親が教育に対して無関心であると、子どもも学ぶ意欲を持たなくなることがあります。
  3. 学習スタイルと基礎学力の不足
    • 学習スタイルの不一致: 教室での指導方法が子どもの学習スタイルに合わない場合、理解が進まず、学力が低下することがあります。
    • 基礎学力の不足: 基礎的な学力が不足していると、より高度な内容を理解するのが難しくなり、結果的に学力が低下します。特に、数学や読解力の基礎が不十分な場合、学習全般に悪影響を及ぼします。
  4. 社会的・心理的要因
    • 自己肯定感の低下: 学校でのいじめや社会的なプレッシャーが原因で、自己肯定感が低下すると、学習意欲が減少し、学力が低下することがあります。
    • モチベーションの欠如: 学校の授業が子どもにとって興味深くない場合、学習へのモチベーションが低下し、結果的に成績が下がることがあります。
  5. 外部要因
    • テクノロジーの影響: スマートフォンやゲームなど、学習以外の活動に多くの時間を費やすことで、学習時間が減少し、学力が低下することがあります。

こうしてみてみると、なるほど…と納得もできますが、子どもが学習する上でどういうプロセスが必要なのかというそもそもの部分が抜け落ちているように感じます。

では子どもが学習する上で必要なプロセスとは何なのでしょうか?

自分が子ども時代の学習方法

私たちが子どものころ、つまりそれはまだ昭和の時代を思い出してみましょう。

宿題で出ていたのは漢字ドリルや計算ドリル、音読などもありました。

学校に行けば漢字テストや100ます計算をほぼ毎日やっていたようにも思います。

漢字テストでは10問テストから、1学期ごとくらいにあった漢字の50問テストがありました。

計算では100ます計算を毎日の朝の会でやっていたように思います。クラス全員が用意ドン!で始め、1番を目指して、ひたすら計算を早くするという反復練習をしていたことを思い出します。

漢字テストや計算という形は今と何ら変わらないように思えます。しかし実際に取り組んでいる内容を見てみると昔と今の子どもたちの間で決定的に違うところを発見しました。

それは書く量です。

書く量の大幅な減少

以前、子どもの担任をしてくれていたベテランの先生もおっしゃっていました。

今の子どもが書く量が少なすぎます

確かにそうです。漢字の宿題ではノート1ページにしこたま漢字を書き続けました。高学年になると1ページと言わず、2ページ分を毎日書いていたかもしれません。

算数の宿題では計算をひたすら反復していました。計算ドリル1ページの計算量は結構多かったように思います。あまりにもは何度も繰り返すので、答えを覚えてしまって、計算せずに答えていたところもあるかもしれません。

今の子どもたちはどうでしょう?同じように漢字ドリルや計算ドリルの宿題はあります。漢字も計算も子どもたちなりに頑張ってやっていますが、私たちが子どものころに比べると少ないと思います。

さらには時代の変化で、タブレット学習の普及によって、実際に書くということが少なくなりました。タブレット上でタッチすればそれで済んでしまいます。もちろんタブレット上でもなぞって書いたりすることはありますが、子どもたちにすればゲーム感覚で、正答すればポイントがたまりゲームクリア!という報酬による動機づけが強化されるので、学習内容の定着という観点で本当にこれで良いのかどうか考えものです。

このICTの普及についても、今後お話ししていきたいと思います。

学習定着のメカニズム

ネットで学習のメカニズムと検索すると以下のような項目が出てきます。

  1. インプットとアウトプットのバランス
    • インプット: 新しい情報を得るために、書籍を読んだり、講義を受けたりします。
    • アウトプット: 学んだことを自分の言葉で説明したり、他人に教えたりすることで、知識を再構築し、理解を深めます。このプロセスが記憶の定着に非常に効果的です。
  2. 反復学習
    • 定期的な復習: 同じ情報を繰り返し学習することで、長期記憶に定着させます。特に、学習後すぐに復習するのではなく、時間を置いてから復習することが推奨されます。例えば、最初の復習は24時間後、次は1週間後、その次は1ヶ月後というように、段階的に間隔を広げる方法が効果的です。
    • スペースド・リピティション: 忘却曲線に基づき、忘れやすいタイミングで復習を行うことで、記憶を強化します。
  3. 学習環境の整備
    • 集中できる環境: 静かで快適な学習スペースを確保することで、集中力を高め、学習効率を向上させます。また、必要な学習ツールや資料を整理しておくことも重要です。
  4. 多様な学習方法の活
    • 視覚学習: ビジュアルを使った学習は、情報の保持能力を高める上で重要です。図やグラフを用いることで、概念をより理解しやすくなります。
    • インターリーブ学習: 異なるトピックやスキルを交互に学ぶことで、情報を比較しやすくし、理解を深めます。例えば、数学の問題を代数と幾何学の両方を交互に解くことで、各分野の理解が進みます。
  5. 教えること
    • 他者に教える: 学んだ内容を他人に教えることで、自分の理解を深め、記憶を強化します。これは「教えることが最良の学び」とも言われる理由です

これらの項目の本質は何なのかを考え、さらには先ほどの書く量の減少と考えあわせると、インプットとアウトプットの問題がみえてきます。

書く=インプットとアウトプットの繰り返し

学習が知識やそれにまつわる技術のストックというように考えると、その効果的な方法としてインプットとアウトプットが重要なのではないかと考えられます。勉強においてこのインプットとアウトプットをシンプルに考えた場合、以下のようなものになります。

  • インプット:見る、聞く、書く。
  • アウトプット:書く、話す(口に出す)

みなさんは何かを覚えようとする時、どうしていますか?英語の単語を覚えようとすればひたすらその単語のつづりを書いたり、さらには読み上げながら書いたりという作業を繰り返すでしょう。

何かを考える時にも頭の中だけで考えるよりもそれを書き出してみたり、図にしてみたりすることで寄り整理がされて理解しやすくなるでしょう。

つまり、勉強の中で漢字をひたすらノートに書く、同じ計算を何度も繰り返すということは学習に必要なインプットとアウトプットを繰り返しているということになります。

書く量が減っているということは、このインプットとアウトプットの機会が少なくなり、学習の定着がしにくい状況にあると言えるでしょう。

モチベーションの低下

少し話がそれてしまいますが、さらには先に挙げたように、タブレット学習では反復することで勉強ができるようになった、テストの点数が取れるようになったという達成感ではなく、タブレット学習によってポイントがたまった、ステージのクリア数が増えたという別のゴールへ向かって勉強することになりかねません。

そうなるとこの報酬がなくなってしまった時、子どもの勉強に対するモチベーションは

ポイントがもらえないなら…

ステージクリアできないなら…

と大きく下がってしまい、学習定着の効率を大きく下げてしまうことになります。

子どもの学習について見直すべき

このように学習方法も、モチベーションの作り方も、そのどちらも昔に比べると学習の定着を促しにくい状況になっていると思うと、これからの子どもたちの学習について大きな不安を抱きます。

確かに時代の流れに合わせて、パソコンやタブレットといったICT機器になじみ、扱えるようになることは大切なことだと思います。しかしそうすることによって、子どもの学力の差はますます開いてしまうのではないでしょうか。

つまり現代の子どもの学習は、子ども自身の能力差や、親の学習に対する考え方に大きく頼りすぎてしまっているため、差が生まれやすい状況が起こっているということになります。

学校とはいったいどういう場所なのでしょうか?学校の役割とはいったい何なのでしょうか?

科学技術が大きく発展し、AIが替わりにやってくれる部分がどんどん増えている今だからこそ、人として一体何が大切なのか、どのように生きることが豊かな人生なのか、その一つとして教育、学習についてもみなす必要があるのではないでしょうか。

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